海外移住先としてのドイツの魅力。10年暮らして実感すること

ドイツ在住歴が、気が付いたら合計12年になっていたMeegmiです。

「なんでドイツに住んでいるの?」

海外に住んでいると、この問いと向き合う機会が定期的に訪れます。

出会った人ほぼみんなに問われる、もはや挨拶代わりの合言葉ですね。

どうして自分が今ここにいるのか、その場所で何をしているのか、人生に何を求めているのか・・・。

自分が何者であるかを常に問われる、そういう環境こそが海外生活の魅力の一つかもしれません。

「で、なんでドイツ??」

「ビールがうまい!」「ソーセージが!」「ジャガイモが!」

そうそうこれがまた実際、かなり旨い!!・・・って、そんなキャッチーな理由で移住は決められませんよね。

きっかけとしてはアリだと思いますが、観光旅行ではなく、

長期的な移住先としてドイツで暮らしてこれた理由は、もっと生活に根ざしたところにあります。

ということで、今回のテーマは、海外移住先としてのドイツの魅力!!

理由その1:社会保障制度が充実している!

たった一人で、スーツケースを1つ持ってドイツに降り立った私が、

様々な転機やピンチ、ライフイベントをどうにか乗り超えながら10年以上

この国で暮らしてこれたのは、ものすごく端的に言えば、

ドイツの社会保障制度の充実ぶりに経済的にも、精神的にも助けられたから。

ドイツが大切にする「社会的市場経済(Soziale Marktwirtschaft)」という社会のあり方の原則は、

「人間の顔を持つ資本主義」という異名を持ち、

経済格差が広がり過ぎないように、市場での自由競争と社会の平等のバランスを

政府が取っていくという決意と方針を現しています。

・・・社会制度についての小難しい話を展開しようというわけではないので、不安にならずにもう少しお付き合いくださいね。

突破口の見えない社会の閉塞感や希望の見えない経済格差が募らせた市民の不満と困窮と疲弊が、

いったい何を生み出すのか?

その答えの一つを、ドイツは知っています。

人類史上、ほかに類を見ない惨劇を生み出すこととなった「ナチス」というモンスターです。

「社会的市場経済」という原則が掲げられたのは、1949年。

第二次世界大戦後、西ドイツで初めての連邦議会選挙が行われた年でした。

西ドイツ、そして統一後のドイツ連邦共和国には、かなり明確な決意が秘められていることを

ドイツで暮らす中でひしひしと感じることができます。

考える市民を育てる国

その決意とは、「考える市民」を育てること。

そして、市民の考える力を育てるためには、市民が生存の危機に怯えることなく生活できる基盤が必要です。

ドイツ国籍を持つ人も持たない人も、ドイツで暮らす全ての市民が

明日のパンの心配なく、理不尽なことに対抗する力と人間性を保つには、「安心」と「安全」が不可欠なんですね。

「絶望」に足元をすくわれないよう、

「忖度」し過ぎて目が曇らないよう、

自分が所属する「社会」を守るために行動を起こせるように。

ドイツに貧富の差がないわけではありませんし、

ドイツの税金や社会保険料が高くて、初めて見た手取り給与額に目眩を覚えたこともあるんですけど、

社会のために負担した分は、自分の生活に返ってくるという実感と納得感を持てます。

納得できない場合は、政権交代ですね。

例えば、

教育費→市によっては3歳以上の保育料は無料、義務教育は収入に応じて金額が決まる。低所得世帯は無料。

医療費→必要な治療は医療保険でカバー

出産費用→無痛分娩も帝王切開も、休日、深夜出産も医療保険でカバー

有給休暇→100%取得が前提

失業手当→直近の手取りの6-7割+労働局の担当者が前向きに応援

起業助成金→直近の手取りの6-7割+300ユーロ

と、まだまだあると思うんですけど、

ここ数年で私がありがたく感じた国や州のサポートが上記です。

海外移住を考えている人へ

大前提として、利便性について日本と比べてはいけません。

サービスのレベルうんぬんは置いておいたとしても、

海外で暮らすということは、母国語以外の外国語を理解しようとする作業が

24時間ついて回るのです。

そのストレス、その不便を、十二分に味わいながらも、

なおドイツに暮らす海外在住者はみんなMっ気があると言われても否定できません。

じゃあ、何を求めているのか。目的はそれぞれだと思いますが、

得られるものの一つは生きる力に他ならないかもしれません。

人生にプランBを。複数の選択肢を持つことで、人生に希望の光を。

しかし、ドイツビールは本当にうまい! 皆さんの人生に乾杯!!

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事